運用監視チームの業務を支えるSalesforce活用

目次
1. はじめに
2. Salesforce概要
3. CRMとは
4. 運用チームでの使い方
4.1. 引継ぎ
4.2. タスク管理
4.3. インシデント管理
4.4. 勤怠管理
5. おわりに
1. はじめに
こんにちは。運用チームのSNです。
私は、24時間365日体制で運用監視を行っているチームに所属しています。
実はこの「運用監視」チームでは、日々の業務に Salesforce を活用しています。
「え、Salesforce って CRM でしょ?運用監視で何に使うの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
そこで今回のブログでは、CRMとしての利用に加えて、Salesforce の機能を活用した運用業務の効率化アイデアを紹介します。
2. Salesforceの概要

Salesforceは、世界中の企業が利用しているクラウド型のCRM(顧客関係管理)プラットフォームです。
顧客情報、商談情報、問い合わせ対応など、ビジネスに必要なあらゆるデータを一元管理し、会社全体の生産性向上を支えてくれます。
営業・マーケティング・サポート・ITなど部門を横断してデータを共有できる統合基盤であり、AIを活用した予測分析や自動化にも対応しています。
もともとはCRMのためのツールとして広がりましたが、現在はアプリ開発や業務プロセスの自動化など企業活動の中心になるプラットフォームとして進化しています。
3. CRMとは
CRMは、会社とお客様の関係を「見える化」して、より良いサービスを提供できるようにするための仕組みです。
お客様とどんなやり取りをしてきたのか、どんなニーズがあるのか。
そうした情報を一つの場所にまとめて管理できるのがCRMの大きな特徴です。
一般的にCRMでは次のような情報を一元管理します。
・お客様の基本情報(名前・会社・連絡先)
・過去の問い合わせ内容
・商談の進み具合
・メールや電話等のコミュニケーション履歴
・購入履歴や興味のある商品
これらがバラバラに管理されていると、必要な情報を探すだけで時間がかかってしまいます。
CRMを使うことで、情報の検索やチーム内での共有がスムーズになり、お客様一人ひとりに合わせた対応がしやすくなります。
4. 運用チームでの使い方

CRMの基本は「お客様との関係を管理すること」ですが、
実はこの考え方は 運用監視のようなバックエンド業務にも応用できます。
まず、私たち運用チームについて少し紹介します。
運用チームは 24 時間 365 日体制でシステムを監視し、障害対応や定期作業を行っています。
そのため、タスクの漏れ防止や対応状況の共有が非常に重要で、チーム内の連携は欠かせません。
日々の業務では、システムの状態監視、障害対応、定期作業、そして勤務帯ごとの引継ぎなど、多くの情報を扱います。
これらを整理し、チーム全体で共有しながら効率よく業務を進めるために、Salesforce が大きな役割を果たしています。
ここからは、そんな運用チームならではのSalesforce活用例を紹介していきます。
4.1. 引継ぎ
24時間365日の体制では、勤務帯が変わるたびに業務を引き継ぐ必要があります。
以前は、1つのテキストファイルに全案件の引継ぎ内容をまとめて記載していました。
対応状況、注意点、次の担当者へのメッセージ、次回対応日を記載していましたが、
以下のような課題があり負担が大きい状態でした。
・過去の履歴を遡るのが困難
・記載が属人化し、内容がバラバラ
・1つのテキストに全案件をまとめるため、情報量が多く視認性が悪い
・入力漏れや記載ミスが防げない
こうした課題を解決するため、Salesforceへ引継ぎ管理を移行しました。
Salesforce へ移行する際、ただ「入力場所を変える」だけでは意味がありません。
運用チームの業務に合わせて、以下のような工夫を加えました。
・Visualforce + Apexを利用し視認性の高いUIを作成
・検索機能を強化し、対象サービスや日程からすぐに引継ぎを検索可能
・フローによる日付、勤務帯の自動入力
・項目の必須化による記載漏れ防止
・取引先情報(顧客情報)と連携し、関連情報を表示
Salesforceで引継ぎ管理を行うようになってから、次のような効果が得られました。
・視認性の高い UI と検索機能の充実
→ 必要な案件や、過去の対応を簡単に参照できる
・日付・勤務帯の自動入力や必須項目化
→ 入力ミスや漏れが減少
・ネクストアクションが明確に
→ 次に何をすべきかが分かりやすい
・属人化の防止
→ 誰が見ても同じ形式で情報を把握できる
4.2. タスク管理
運用チームでは、「対応漏れを防ぐこと」も非常に重要です。
しかし、以前はタスクを個人メモや引継ぎで管理していたため上手くいかず、対応漏れが発生することがありました。
以前の課題は、
・引継ぎの中にタスクが埋もれてしまい、見落とす
・メール通知を起点に対応することが多く、時間指定の作業を忘れてしまう
そこで、タスク管理をSalesforceに移行し、「特定の時刻に作業開始メールを自動通知する仕組み」を構築しました。
この仕組みは、Salesforce標準機能(行動オブジェクト)をベースにフローを使ってタスク開始日時に自動でメール通知を行うものです。
これにより、「時間になったらタスクのメールが届く」=忘れない仕組みが完成しました。
さらに引継ぎからワンクリックでタスク登録をする仕組みも追加しています。
4.3. インシデント管理

運用チームでは、検知したアラート、作業内容をインシデント管理表として記載しています。
こちらも現在はSalesforce上で運用しています。
従来はExcelで管理していましたが、記載漏れや記載誤りが多く発生していました。
運用チームでは、お客様への報告をメールで行うことが多いため、
Salesforceの「メール to ケース」を利用し、送信したメールをSalesforceにて自動取り込みする仕組みを構築しました。
インシデント管理表オブジェクトのレコードを自動で作成し、取り込んだ報告メールから必須項目を自動でセット。
更に引継ぎ機能とも連携し、対応状況の管理も一元化しています。
4.4. 勤怠管理
運用チームでは、勤怠管理も Salesforce 上で行っています。
こちらも以前は Excel を使って個別に管理しており、さまざまな課題がありました。
・超過労働のチェックが個別対応
・勤務時間の集計が手作業でミスが起きやすい
・チーム全体の勤怠状況を一覧で把握できない
・各自で入力した内容の修正に時間がかかる
そこで、勤怠管理を Salesforce に移行し、勤務時間・深夜勤務・残業時間などを一元管理できる仕組みを構築しました。
以下の Salesforce 機能を組み合わせて実装しています。
・専用オブジェクトを作成し、毎日の勤怠データ(出退勤時間等)を各自でレコードに入力
・入力データを元に、勤務時間や深夜勤務、残業時間を自動で算出
・入力漏れや超過時間があった場合、メールで通知
・全員の勤務時間や残業時間をレポートやダッシュボードで一覧表示
これにより、勤怠情報を一元的に扱えるようになり、Salesforce上の社員情報とも紐づけることができました。
5. おわりに
引継ぎ、タスク管理、インシデント管理、勤怠が Salesforce 上でつながることで、運用チーム全体の業務がこれまで以上にスムーズになりました。
Salesforce には、標準機能から拡張機能まで幅広い仕組みが用意されており、それらを組み合わせることで、日々の運用業務を大きく効率化できます。
これから『Salesforceを使ってみようかな』という方や、『実は使いきれていない気がする…』という方は、ぜひ参考にしてみてください。